二人は全裸の身体を寄り添わせ、
妻は胸の脇に息子の頭を抱き寄せていました。
私は思わず息子の手を持ち、
妻の茂みから退けました。
頭の中がパニック状態になりながら、
私の眼は妻の下腹部に釘付けになりました。
黒い茂みと臍下辺りに一箇所ずつ、
半乾きの生白い粘液の塊があったのです。
この二カ所の射精の痕は、
息子が妻と交わった痕跡に違いありませんでした。
三人が目覚める前に私は一人で家を出ました。
父親としては劣悪な環境に置かれた
息子を引き取るべきなのでしょう。
私も分かっています。
その後、二度ほど会いましたが、
感情的に、どうしても一人の男として
息子を意識してしまい、
なかなか引き取るとか顔を合わせる気になれません。
それは息子の方も同様で、
以前と異なり一人の女を奪い合っている
男同士として私を見ているようです。
無責任ですが、
当分私は一人で居たいと思っています。
店主と妻は収入がなくなり困っています。
妻は財布の中の生活費数日分以外は
持ち合わせがなく、
店主も店は借家で、借金を抱えていたようです。
妻と先週初めに電話で話した時には、
10月初めから隣の宇都宮にある
Mという石鹸店に出ていると
言っていました。
昨日電話して、
店に出る前に妻と喫茶店で会いました。
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