
アナタハンの女王事件とは?
太平洋戦争中の南海の孤島アナタハン島で1人の女性と32人の兵隊らが置き去りにされ、飢餓と孤独にさいなまれながら、日本の敗戦を知らず六年間もジャングル生活を続けた。
その間、1匹の女王蜂をめぐって壮絶なまでの生と性の闘いがくり広げられ、12人が殺されたり、死んでいったという謎と猟奇に包まれた事件であった。
舞台は小さな孤島
アナタハン島はサイパン島から約100km離れた全長約9km、横幅約4kmの小さな孤島である。
このアナタハン島には原住民約70人と日本人でヤシ農園経営のA氏とその部下B氏の妻・比嘉和子さんの2人が暮らしていた(B氏は、妹を連れ戻すためサリガン島に出かけたまま消息が不明になっていた)。
1944年6月頃、日本人と見られる31人の男がこの島に泳ぎついてきた。
彼らは日本軍用船に乗っていた陸海軍の軍人・軍属らしく、乗っていた船ごとにわかれて生活を始めた。
そのうちに米兵が島を訪れ、原住民達をすべて連れて行ってしまう。
島内には日本人だけが残されることになった。
こうして島には兵士10名、臨時徴用の船員21名の計31名が残されました。
最年少は16歳、多くは20歳前後の若者ばかりでした。
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