
ウチの店で、
毎回パンの耳だけを買っていく親子連れがいた。
その親子連れをよーく見ると・・・
母子家庭で、
4人兄弟の一人が後輩の女の子だと分かった俺は、彼女に…
俺の家は小さなパン屋をしていた。
親父がパンを焼いて、お袋が店で売るという
店員2人の小さな店だった。
俺は幼稚園のころから店を手伝っていた
すぐ横にはおじさんがやっている豆腐屋もあったので
かけもちで手伝っていた。
友達と遊ぶのも良かったが
店でお客さんと話す方が好きだった。
俺が中学生のころ
うちの店によく来る親子連れがいた。
決まって食パンとラスクとパンの耳を買っていった。
お袋はいつも一緒に来る女の子に
アンパンをあげていた。
お袋は『あの人は可哀想な人なのよ』と言っていたが
俺にはよく分からなかった。
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